2017年6月25日日曜日

911を買った。

Type997の前期型、MY07。前期型のほぼ最終モデル。

ちょいと経緯を振り返ってみようと思います。

そもそも、ポルシェを買おうと思ったのは、娘が免許を取ることが決まったからでしたね。
「クルマ、もう一台要るよなぁ。」
ワタクシはそう考えたわけで。
別に娘とカプチーノを共用しても良かったんですが。
娘の方が父親のクルマを「借りて乗る」ことにためらいを覚えるような性格なので、「このクルマはオマエのモノだから」と言ってやらないと、自由に乗り歩くことをしないと考えたんですよ。
そもそも、娘に早めに免許を取らせようと思ったのも、引きこもりがちになっている娘に、自由に動ける足を与えようと考えたのも一因で。
まあ、この辺は家庭の事情なんで、あまり事細かには書かないですけどね。

さて、そうなるとワタクシの足はどうしたら?となるわけですが。
まあ、必要だよな、と。
休日しか乗らないなら、ライフかカプチーノのどちらか空いてる方を使う、という手もあります。
もちろん、それも考えました。
とはいえ、ワタクシの住んでいるところは大変な田舎で、コンビニに行くのにもクルマがないと…、というような場所なので、やはり自分の足は欲しい。
一方、家族で出歩くこともあるので、4人乗りは必須。

んで。
「デミオの中古もいいかな?」
と考えました。
実際に家族で出かけることは、年に何度もありませんし。
自分で動くだけなら、コンパクトカーでもいいかも、と思ったわけです。
中古、新車、どちらもよい。
新車も意外に高くないですしね。>デミオ
実は試乗したことがあって、思っていたよりも力強い走りをするんです。
場合によっては、娘にデミオを与える、という手もあるな、と。

カプチーノを手放すつもりはありません。
維持費も安いですし、なにより面白いクルマですしね。
乗ってて楽しいクルマつーのもけっこう久しぶりなので。

ワタクシにとって、クルマというのは単に移動手段ではなく、ある意味趣味の一環でして。
あまり面白みのないクルマを買ってもすぐに飽きてしまうよな、と考えたのも事実です。

オデッセイには6年乗りましたが、手放すときは、それほど惜しいとは思いませんでした。
6年で満腹になったと言うか。
オデッセイは素晴らしいクルマだったと思います。(RB3でした。)
カッコイイし、速いし、楽だし。
足として考えるなら、乗車人数、ラゲッジの容量、速さ、どれをとってもワタクシにとっては十二分のものだったと思います。
でも。
振り返って考えると、面白いクルマだったかなぁ、とは思うわけです。
間違いなくいいクルマだったと思います。
でも、なんですよね。
面白いクルマだったかと言われると、どうだろう?みたいな。

例えば、ラファーガは面白い車でした。
FFの悪癖、全然ない低速トルク。高回転まで回るけど、回るだけ、みたいなエンジン。
んでも、乗ってて面白い。MTならなおさら面白かったと思いますが、ATでも面白さでは充分だったと思います。

またカプチーノ。
これは文句なく面白い車です。
つか、維持費の安さと面白さを取ったら、カプチーノはなんにも残らないと思いますし。
二人しか乗れないし、オープンカーだし、荷物積めないし、ラクではないし。
正直、カプチーノでロングツーリングは厳しいかなぁ、と考えています。例えば仙台-東京間とかね。

オデッセイはなんでもこなしましたが、面白さという観点ではいまひとつだったかも知れません。
なので、手放すときも、「ご苦労さん」という感想しか出てこなかったのかも。
単に足だった、ってことなんですかね。

さて、改めてデミオを考えると、デミオもよいクルマだろうと思います。
現行最新なら、安全装備も充実してますし。
乗って面白そうな感触もありました。

ただ。
ワタクシも、もういい歳なんです。
この先、何年、あるいは何台クルマに乗れるかなぁ、と思ってしまいました。
もしかしたら。
これが最後のクルマになるのかも、なんてことも考えてしまったのです。

最後のクルマ?

最後…。

最後なの?

と考えていたら。

「最後ならポルシェに乗りたくね?」
と自問するワタクシがいたわけです。

「911に乗る。」

これは、ワタクシの人生の目標のひとつでもあります。
大げさにいえば「夢」なんです。
お金で買える夢なんて、とも思いますが、現実として、いままで買えなかった夢なわけです。

これまでは、ポルシェを買おうと思っても、どこで買ってよいか解りませんでした。
ポルシェセンターがベストなんだろうとは思いますが、やはり正規ディーラーは色々と高い。
なので、ずっと二の足を踏んでいたという事実もあります。
ここで、カプチーノを買った羽山自動車さんが登場します。
そこでは、これまでも何台もポルシェを扱っており、専門工場というほどではありませんが、ある程度の知識はあります。
もちろん、カプチーノをサーキットに持ち込んで走るようなひとですから、運転の腕前も、整備の腕前も想像できます。
カプチーノのエンジンを何度もブローさせては組み直したって言ってましたから。
#結果、150PSまで持って行ったそうですので。
ご本人も、ポルシェレプリカではありますが、べック・スパイダーを所有してますしね。
NSX-R、S2000とかも乗ってたそうで、根っからのオープン2シーター好きといいますか。
#NSXはオープンじゃないか。

んで。
実はカプチーノの納車の頃、黒い996が納車待ちになっていたのをみたことがありました。
その時に、「あー、ここ、ポルシェも扱うんだ。」と思って、聞いてみると「ウチはなんでもやりますよ。小さな工場ですからね。何でもやらないとやっていけないんですよ。」と笑いながら言ってましたけど。
「外車だからって、敬遠する工場もありますけど、外車って言っても、同じ車なんです。もちろん、外車なりのコツとかありますけど、昔と違って、ネットとか情報もありますから。」との話も。
ちなみに、その996は、後日聞いた話では、4万キロ弱の走行距離で300万強だったそうです。オークションで引っ張ってきたという話でした。

カプチーノを購入して、2年弱。ここなら、と思うワタクシがいました。
ここでならポルシェを買っても、ちゃんと面倒見てもらえんじゃないの?みたいな。

購入時に聞いた話ですが、空冷モノもちゃんと扱っていて、面倒だからあまりやりたくないとは言ってましたけど(笑)、964カレラとか964ターボとかもお客さんにいらっしゃるそうで。
#993もいるって言ってたかな、確か。

カプチーノのオイル交換に行くと、古めのボルボとか、W124のワゴンとか入ってたりするので、けっこう本当に色々と扱っているようで。
羽山自動車さん曰く、「外車は、消耗品の部品代高いので、高価な消耗品を交換する時期に手放してしまうのがよいと思います。」と言われてましたが、入ってるクルマ見てると、そういう消耗品をちゃんと交換して、長く乗ってるクルマが多いような気がするんですよね。
まあ、消耗品以外だと、壊れた部品なんかは、中古部品なんかを探してくれたりもしますし、維持費を安く抑えてくれることをにも気を配ってくれる工場なんですよ。
まあ、カプチーノがメインなので、やはり得意なのはそこになるんでしょうが。

思い切って、相談してみました。
「996ですか?いいと思いますよ。探しましょうか。」
もうふたつ返事でしたね。(笑)

そう。最初は996の前期型を探そうと思っていたんです。
インターミディエイト問題なんかもあり、996の後期〜997前期MY05までは、ポルシェの保証はありますが、壊れるのもイヤだったので、その問題が少ないとされる年式のものを探してもらおうと思っていました。
まあ、期間は切らずに、程度のいいのが出てくるまで待つつもりで。
それがGWの頃のこと。
来年くらいに見つかるといいなぁ、と思ってました。(笑)
ネットで、996の値段が底値だろうと言われてるのを見たからでもあります。
これからは海外に持ち出される個体が増えて、程度いい個体がなくなってしまうかも、的な話です。

実際、探してもらって、中間報告的に連絡貰ってたんですが、10万キロ超えで安いのは出てるんですがエンジンから異音とか、そういうアヤシイのばかりで、なかなか出物がなかったんですよね。

6月の初旬でしたか。
その日も、プロジェクトが火だるまになっていて、忙しいときに携帯が鳴りました。
羽山自動車さんからでした。
「997じゃダメですかね?」
「え?」
「997でいいのが出てるんです。予算からはオーバーしてしまいますが、車検も残っていて、外装の状態もよく、写真で見た限り、内装もよい状態です。修復歴アリなので、かなり値段がお得なんです。修復歴といっても、ほんとに軽微なもので。」
「…考えさせてください。」
一度は電話を切りましたが。
もうその日は仕事になりませんでした。苦笑
997?997だって?
考えてもいなかったわけです。
もちろん、996より997の方がいいに決まってます。年式もインターミディエイト問題からはハズレてる前期型の最終モデル。
#インターミディエイト問題は、可能性で考えるなら、996〜997前期までのすべてのモデルに可能性はある。
その後、何度か連絡を取り、997までにあちがちな、シリンダーからの異音もない、との確約も得て。
「行きましょう。」
オークションへGOサインを出しました。
探してもらっていた996は17年落ち、今回の997は10年落ち。996より、ずっと長く乗れそうな気がしたんです。
しかし。
「落札出来ませんでした…。」
予算提示枠ぎりぎりまで頑張ったそうですが、相手が強気でNGだったそうです。
しかも落札者なし。
詳しく聞いてみると、もうひと押しで行けたはず、とのことで、もうここまで来たら、+20万も同じだろう、と。
「じゃあ、予算を増やして、固定枠で出てきたときにお願いします。」
と頼んだところ。
「実は、今日の午前中までなら、値段交渉可能なんです。その予算内でなんとかやってみます。」
とのお話をいただき。
午後に。
「決まりました。」
と連絡が来ました。

決まったのか。

最初は実感がありませんでした。
ポルシェを買った。買ってしまった。
実感のないまま日は過ぎて。

実車が到着しました。大阪からです。
修復跡もみましたが、サイドシル付近を打ったので、サイドシルからリアフェンダーが一体のため、一枚まるごと交換したみたいです。塗装に違和感もなく、板金ではなく交換なので、もちろん変な歪みも見られませんでした。
チリも合ってましたしね。
正直なところ、機関部に問題がないなら、内装、外装に関して多少のことは目を瞑るつもりでいました。
内装関係は、カプチーノも自力でどうにかしたところもありますし。
実際、今回の997も若干の傷などは見られるため、少し自分でどうにかしないとならないかも知れません。
ただ、目立つところに傷はないし、年式なりのヤレがあるかな?くらいで非常に綺麗なのも事実。
外装に至っては、一部飛び石傷がありますが、ツヤツヤで、年式を感じさせない綺麗さでした。
実車が到着したのは、ローン契約後で、実車到着に合わせて、カプチーノのエアコンが効かなくなったのを見てもらうために行ったのですが。
「車検も残ってますから、試乗OKですよ。」
と言われて、乗ってきました。

久しぶりの左ハンドルです。W124以来ですから、もう10年以上になりますか。
それでも。
身体が覚えているもんですね。
特に違和感もなくするすると走り出し。

正直、なんも覚えていません。
911のハンドルを握ってるんだ、と思っただけで、口から何かはみ出てる感じになってしまって、何も感想がないんです。
楽しいも面白いもツマラナイもふつーもありませんでした。
ただ、「ワタクシは今、ポルシェのハンドルを握っている。そして、これはワタクシのモノになるのだ。」と、それだけが頭の中にありましたね。

実は、同じ日に、タイヤが届いて羽山自動車さんまで持って行ったので、もう一度乗ることになるんですが、このときも同じでした。(笑)
正直、感想はありません。
トルク太いな、とか、すぐにスピード出るな、とかはありますけど、まあ、その程度。
詳細なレビューに出来るほど、強い印象はなく、もうただただ「ポルシェのハンドルを握っている」ことだけに感動していました。

ただ、この日、初めて、ようやく、と言ってもいいですが。
「ワタクシはポルシェを買ったのだ。人生の夢のひとつを実現したのだ。」
そういう実感を得ました。(笑)

それからの毎日は、ひたすら納車待ちです。苦笑
雑誌を買ってみたり、Amazonで本を漁ってみたり、ネットで997のことを調べまくってみたり、YouTubeで997の紹介動画をみたりと、もう997のことしか考えられません。
997のことを考えていないのは、仕事中だけです。
#それでも休憩中なんかは考えてる。
不思議と仕事にも気合が入りました。
「稼がないと。」
ポルシェに限らず、ドイツ車は消耗品の交換は日本車から比較すると距離が短く、予防整備は必要になります。
お金が必要になります。
もうビョーキだから、とか言い訳してる場合じゃないんです。
とにかく、稼がなくてはなりません。
そう思うと、仕事にも身が入り、これまでは調子が悪くて休んでしまったような状態の日でも、頑張ることが出来るようになりました。
#まあ、今だけかも知れませんけどね。>今だけじゃ困るんですけどね。

そして。
来週の月曜日、2017/06/26に名義変更されるそうです。
明日の夕方以降であれば、納車可能になるのです。
待ちきれなくなることが予想された(笑)ため、任意保険は、明日の4時からにして貰いました。(爆)

明日、です。
たぶん、ですが、仕事の都合がつけば、会社早退して、ポルシェの納車に行きます。

そう。
こうして、ワタクシはポルシェのオーナーになるのです。

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